世界の養蜂の歴史

一口に養蜂と言っても旧式養蜂と近代養蜂とでは様相が全く異なります。旧式養蜂においては自然に営まれている巣を探し、それを採集し、砕いて、ハチミツを絞り取るというのがその方式でした。この方式は数万年前から19世紀半ばまでの長い期間行われ、養蜂の歴史の大部分はこの旧式養蜂であったと言っても過言ではありません。
その方式のいくつかの場面は古い洞窟壁画にスケッチされています。中でも有名なものにスペインのアラニア洞窟の壁画です。高い崖で自然巣を採集しようと女性が手を伸ばしたこのスケッチが描かれたのはおおよそB.C1万5000年のころだとされています。また、エジプトの古代墓からはB.C1000年以前の壷に入ったハチミツが発見されています。

このように古い時代から長い間養蜂は人類とともにありました。一方、近代養蜂はミツバチを家畜として飼育管理するところにその特徴があります。このことを可能にし、近代養蜂の幕をあけたのは、アメリカ人のラングストロス(L. Langstroth)です。氏の考案した可動式(取り外しのできる)巣枠がこの飼育管理を可能にしました。

この日本でラ式巣枠と呼ばれる巣枠が開発されたのは1851年のことです。 その直後の1857年にはドイツ人メーリング(J. Mehring)が人工巣礎を考案しました。この巣礎と巣枠を骨組みに、それに付随する器具、用具が次々に、急速に開発され、養蜂は産業として成り立つ基盤を獲得することができたのです。

一方、ミツバチの学術的研究も飛躍的に進展し、1973年にはドイツのカール・フォン・フリシュ博士が、ミツバチの”ダンス”の研究でノーベル賞 を受賞しました。