園芸農家の方へ

ミツバチは、巣内の幼虫を育てるために大量の蜜や花粉を集め、貯蔵する性質があり、多くの花を訪れます。花の選り好みもほとんどありません。この性質と管理のしやすさから、農作物のポリネーターとして広く利用されています。今や、ミツバチは農業生産にとって非常に重要な働きをしているといえます。

ミツバチのポリネーターとしてのメリットは以下のとおりです。

  1. 利用する花の種類がきわめて広いこと
  2. ほとんどの作物の受粉に使えること
  3. 簡単に運べる機動性にすぐれていること
  4. 適切に管理すれば長期間使えること

ハウス内では、露地のように自然の花粉媒介者(ポリネーター)に受粉を頼ることはできず、ミツバチやマルハナバチのような人間に管理された形のポリネーターに頼らざるをえません。

しかしナスのように、花蜜を分泌せず、花粉しか得られない作物に利用する場合や、イチゴのように6ヶ月近くの長期にわたって働いてもらいたい場合には、それぞれに応じた気配りが必要です。メロンやスイカのように短期の利用でも、温度管理や農薬散布時にはミツバチへの配慮が欠かせません。

「ポリネーション用ミツバチの管理マニュアル」では、ミツバチを花粉交配(ポリネーション)に利用する場合の基本知識と、主要な4種作物(イチゴ、ナス、メロン、スイカ)での利用にあたっての留意事項を述べました。

ミツバチが健康で長く働ける環境づくりにぜひお役立てください。