イチゴ

イチゴの受粉と結実

ミツバチはイチゴの花を訪れ、花蜜と花粉を集めます。花の上で、口吻で蜜を吸いながら、体毛には花粉を集めながら、ぐるぐると回ります。その際に体毛に付いていた花粉が雌しべの先に付き、受粉が行われます。品種にもよりますが、イチゴだけでは蜂群を維持するだけの蜜や花粉はないため、まずは導入時に十分な蜜と花粉を持たせて入れます。面積に対して蜂群が大きすぎないことも重要です(ハウスで利用する場合の留意事項の表参照)。

置き場所と目印

ミツバチは優れた記憶・学習能力をもっているので、巣箱を見えやすくしたり、近くに右の写真のように目印になるもの(この例では青い看板)を設けてやると効果的です。とくに高設栽培の場合は帰巣に失敗して死ぬミツバチが多くなりがちです。目印があるとその下に巣箱があることを覚えてくれます。

長期利用には次世代の蜂の養成が欠かせない

寒い冬の間や花の少ない時期には、ミツバチは働きを抑えて長生きをします。それでも初冬から春まで働いてもらうためには、巣箱の中で第2、第3世代の働きバチに生まれてもらう必要があります。幼虫が育つためのエサとしては花粉が必要ですので、早く導入しすぎたり、2番目の花房の花が開花するまでの期間が長いと、女王バチによる産卵や子育てが止まってしまい、肝心な時期にミツバチが不足してしまいます。

そのような場合、養蜂家に相談のうえ、補いに「代用花粉」を給餌してやることができれば効果的です。大切なのは、ハウスの面積(花からの花蜜と花粉の供給量)とミツバチの量のバランスで、これがうまくいけば、常に1〜2ヶ月先の働き手となる新しいミツバチが育ってくれます。

巣箱内で産卵や育児が止まると、後になってその影響がでます(横棒の幅がミツバチの数を示しています)

巣箱内で産卵や育児が止まると、後になってその影響がでます(横棒の幅がミツバチの数を示しています)

ハウス内の花が少ない時期には、その後の群の勢力を維持するために、代用花粉(右にその例)の給餌が効果的な場合があります。図は第2世代のミツバチの数が確保されることを示しています。

ハウス内の花が少ない時期には、その後の群の勢力を維持するために、代用花粉(右にその例)の給餌が効果的な場合があります。図は第2世代のミツバチの数が確保されることを示しています。